RENOエアレーサー図鑑U

#38“Precious Metal”
<プレシャス・メタル>
磨き上げられたポリッシュメタルに映りこむ主翼の緑が美しい機体。
オーナーパイロットはロン・バッカレリで、シルバークラス上位が定位置。
一見P−51マスタングの改造型に見えるが、
マーリンより大排気量のグリフォン・エンジンを積むために、機体フレームや外板は大半が新造。
何よりもこの機体が他機と一線を画す点は二重反転プロペラを採用していること。
二重反転のギアボックスとプロペラはシャクルトンから流用されている。
これによって前面投影面積とトルクの反作用による影響を最小限にしている。
この機体は二代目で、初代#09は比較的ノーマルに近いマスタングだったが墜落して失われた。

#8“Dreadnaught”
<ドレッドノート>
怪物エンジン空冷四列28気筒R4360ワスプ・メジャーを装備するシーフューリー勢の実力者。
現在のパイロットはマット・ジャクソン。元ビルマ空軍に輸出された経歴を持つ機体。
セプテンバーフューリー以前は唯一の優勝経験を持つシーフューリーだった。
複座型のT Mk.20をベースにしていて、後席は残されている。
発熱量の大きいR4360に対応するために両翼付け根にオイルクーラーが装備され、
代わりに空気取り入れ口を機首カウル上面に移して独特のシルエットを形成している。
排気口や、主翼付け根の処理にも独自性が見られる機体。

#86“Czech Mate”
<チェックメイト>
マスタングよりも一回り小型なソ連製YAK−11高等練習機に、大直径の
空冷18気筒R2800を無理やり取り付けた異色のレーサー。
かつてはエジプト空軍の所属で、デビュー当時の機体名は“ペレストロイカ”。
ショートパンツがトレードマークのシャーマン・スムートが操る。
強いテーパーがかかった主翼と、機首から強引に絞ったフィレットが相まって、頭でっかちのシルエットはまさに二式戦。
どう考えても無茶な改造なのだが、熟成が進んだ結果かなりの戦闘力を持つに至った。
大直径のプロペラのクリアランスを稼ぐために、主脚のサスはガチガチに固められている。

#11“Miss America”
<ミス・アメリカ>
黄色いマスタング“オール・イエラー”と並んで、リノを象徴するベテラン機。
ほぼリノの歴史を全て見てきた機体と言っても過言ではない。
戦後すぐに民間に払い下げられ、72年から「ミス・アメリカ」の名を冠している。
3000馬力級のマーリンエンジンながら、機体の細かいモディファイで実力はシルバークラスのトップを争うほど。
星条旗をモチーフにした派手なカラーリングで人気があるリノの女王様。
パイロットは異色の脳外科医レーサー、ブレント・ハイジィ。
(撮影:神谷直彦氏)

#99“Riff Ruff”
<リフ・ラフ>
紅白のビビッドな塗装が印象的な、ゴールドクラス常連のシーフューリー・レーサー。
空冷18気筒R3350エンジンを搭載。
元トップガンであり、スペースシャトルの船長も勤めたロバート“フート”ギブソンの愛機。
その限りなく低く飛ぶ迫力満点のラインは他の追随を許さない。
比較的ノーマルに近い外見だが、その機体の仕上げはレベルが高く、
大型スピナーや排気管周りの改造、オイルクーラー吸気口の水噴射システムなど、
基本は押さえたチューンが施されていて戦闘力は高い。

#105“Spilit of Texas”
<スピリット・オブ・テキサス>
シーフューリー勢の中ではリフ・ラフと接近戦を演じる実力派で、ゴールドへの出場経験も多い。
パイロットは元エアラインパイロットのスチュワート・ドーソン。
現在はテキサス州旗をモチーフにしたトリコロール・カラーだが、かつてはグレイ2色の英海軍機カラーだった。
空冷18気筒R3350エンジンを積み、右翼付け根の空気取り入れ口を廃して
セプテンバー・フューリーと同じく機首上面に設置している。
また、排気口周りも独自の改造が施されている。
Vにつづく